感動ポルノの一種。起業ポルノも同じだ!

最近、「ポルノ」という言葉を覚えました。

もちろん、辞書的な意味、性的な行為やコンテンツであることは知っていましたが、今や、性も含めて心理的欲求を満足させること全般をさしているようです。

このポルノ、人の行動をコントロールすることを問題視したい。一種の洗脳に近い。

con-isshow.blogspot.jp

感動させること。美談をでっち上げること。本質とは違うところで人の行動を起こさせるチャリティーはいけないことか?

今一生先生の記事を読んで考えさせられました。

「偽善」というコトバを連想しました。

世の中によくある声で、「偽善でも何でも結果的に募金が集まればいいじゃないか」という声。

僕自身、募金をした後や、献血をした後は「いいことした~」という自己満足感が脳裏に現れる。これが偽善というやつなのかな?と思えど、お金や血液が働いてくれれば別に構わないとも思う。

ポルノは「偽善」以上にやっかい?

ポルノはでっち上げ。嘘や間違いでもゴリ押しして人の感情をコントロールしようとしている。感情をコントロールされた側は、行動を促されやすくなる。

この問題は、根深い。

そんなポルノ。僕の周りにもいます。その腹立たしいポルノを一つ紹介します!

起業ポルノは起業家を気持よくさせるだけでその人の人生を壊す。

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起業はすばらしい、自由だ、会社勤めをしている=社畜だetc…

会社をやめて独立することがさもバラ色人生のようにかき立てる書籍やブログ、情報商材が多い。

更に、起業コンサルタントというやつもひどいのが多い。

近所に住んでいて大企業に勤めていた知人は自称起業コンサルに人生を無理やりリセットさせられた。

独立願望があった彼をバラ色の人生をちらつかせることで、行動を促していった。

大企業に勤めていたからといっても彼はエンジニアだった。
それだけに経営ノウハウを知らない。

メールマガジンや情報商材、起業系の書籍を買いあさり起業の道に進んでいった。

その中で、メールマガジンを発信していた自称起業コンサルタントと契約を交わし、ここ3年間を彼のもとで過ごしていた。

その内容は驚くべきものだった。

契約金も月額もない。稼いだ分、売上の半分を上納すること。

原価に5割かければ、ゼロだ。いったい何を考えているのだか。

僕からしてみればふざけた話で、率直にやめたほうがいい!と言っても彼は聞き入れなかった。なぜか、すでにその主従関係は始まっていて、新品だと3000円か4000円くらいする起業系の古本を送ってきていた。

「こんな素晴らしい本をただで送ってくれるんですよ!」

なるほど、こうやってお金をかけずに心をつかむのか。タダほど怖いものはないというのに。

彼は3年間コンサルとともに住み込みで上納し続けて、先日、ようやく帰ってきた。家を失い、小さな子がいるのに奥さんが大黒柱としてパートに行き、子供たちは夏休みをほぼ毎日学童保育で過ごしていた。

起業して、独立して成功することは素晴らしいことだけど、難易度は低くはない。

だから、やめておけなんてことは言いません。

けっしてバラ色だけじゃないことを知っておいてほしいのです。

もちろん、バラ色な部分もあるけど、その反面、泥沼にハマることもある。

僕は起業してから、土下座まではいかなくても、深く深く頭を下げ続けたことがある。

守ってくれる上司も会社もない。責任はすべて自分でとるし、失敗のしわよせは自分自身に、ひいては家族にも及ぶ。

もちろん、人生はどの道選んでも楽なものなどない。

情報商材の自動現金収集機とかふざけたものを信じないで欲しい。

セミナー講師や、コンサルタントの感動話でスイッチを急激にONにするのはやめて、僕がおすすめするのは二足のわらじ期間を設けて行けそうならスイッチすることです。

行けそうもないと思ったら、一度、一足に戻して仕切りなおす。

また、僕自身も自称コンサルタント(誰からもあなたはコンサルタントです!と認められたわけではないですから…)ですが、同じにされたくないので一つ、自称コンサルタントとして重要なことを言っておきたいです。

税理士のように、ずっと寄り添い続けるコンサルタントもいますが、起業や、なにかを教えるというコンサルの場合は、巣立たさせることができて一人前だと思います。

自分から離れてもやっていけるように育てること。

育った人が次のクライエントを紹介してくれます。クライエントは循環してこそ名講師だと思う。

塾や予備校に似ていると思う。

文句も言わず、結果が出なくても従順な人をカモにして3年間もタダ働きをさせてなにがコンサルタントなのでしょう?

彼が僕をコンサルにしなかった理由

近所で友人のように付き合っていたというのもありますが、僕がバラ色の人生だけをちらつかせなかったからです。

もちろん、成功の先にはそういうものがあるという話をすることもありますけど、大変なこと、困難なことが待ち受けているという現実的な話にウェイトを置いたからだと思います。

こういう話に耳を背けたくなる時点でアウトなのかもしれないです。

起業本にもネガティブなことを話す人からは距離を置けと書いてあることが多いですが、現実的なことは決してネガティブなことではなく、これをなんというか?

リスクというんです!

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