集客の難しさを超える方法:駆け引きから「集まる」仕組みへ

創作

渋谷スクランブル交差点に見る人の流れ

渋谷のスクランブル交差点に立ち、目の前を行き交う無数の人々を見ると、「なぜこの人たちは私のイベントには来てくれないのか?」という問いが頭をよぎります。駅や通勤ラッシュで目にする群衆。イベントやライブを開催しても、その熱気が自分のところまで届かない。集客は一筋縄ではいかないと感じさせられる瞬間です。

バンド時代の「集客」の成功と今

小さな成功体験

バンドをやっていた頃、集客はそれほど難しく感じていませんでした。10人ほどのファンがいれば、そのつながりで30〜40人のお客さんが集まり、最終的には50人ほどがライブに来てくれるようになりました。ライヴハウスのトリを務めることも多く、当時は順調に見えていたのです。

時間をかけた駆け引き

しかし、その成功の背景には、多くの時間と労力がかかっていたことに気づきました。友人や知人のイベントに積極的に足を運び、その恩返しとして自分のライブに来てもらう。これは、集客における「駆け引き」の結果だったのです。この頃はそれで良かったのかもしれませんが、今は状況が全く異なります。

「集める」から「集まる」へのシフト

集客の限界

今の私には、あの頃のように駆け引きで人を集める時間がありません。ライフスタイルが変わり、毎週のようにイベントに顔を出して集客するのは現実的ではなくなりました。これからの集客には、「集める」だけでなく、「集まる」仕組みが必要です。

フリーマガジンでの失敗

2年前、1万部のフリーマガジンを配布し、映画上映とライブを融合させたイベントを企画しました。地元の新聞や広報誌にも取り上げられ、「これで集客は万全だろう」と思っていました。しかし、当日会場に来てくれたのはたった2人。残りは知り合いのみで、スカスカの会場に顔面蒼白になりました。

ここから得た教訓

この失敗から学んだことは、「人はそう簡単に動かない」ということです。過去の成功体験があったからといって、今の集客がうまくいくわけではありません。特にネットや広告を使った集客は、ますます難しくなっているのが現実です。

具体的な集客戦略

役に立つコンテンツがカギ

集客には、「役に立つ」コンテンツが必要です。特に、ネットでの集客では「楽しい」を超える「役に立つ」要素が重視されることが多いです。これは、イベントでも同様です。例えば、インスタ映えするイベントや、何か有益な情報を提供するセミナーは、その場限りで終わらないつながりを生みやすくなります。

カリスマ性を演出する

また、カリスマ性の演出も重要な要素です。私自身、作家や著名人とのイベントに参加することがありますが、その魅力に引き寄せられることが多いです。実際に会ってみて「思ったほどでもなかった」と感じることもありますが、顔が見えないことでカリスマ性が高まるという効果も無視できません。

小さなイベントから始める

「集める」ことから始めて、徐々に「集まる」仕組みを構築していくことが大切です。例えば、10人以内の小さなイベントや交流会に参加し、自分自身や企画をPRしていく。この時、重要なのはイベントをしっかり楽しむこと、そして人とのつながりを大切にすることです。

ワークショップや勉強会の活用

セミナーに参加しても、受講者同士での交流の機会が少ないことが多いですが、ワークショップや勉強会では、より深いコミュニケーションが生まれやすいです。横同士のコミュニケーションが活発な場所で、自分を知ってもらい、そこから「集まる」仕組みを育てていくのが良いでしょう。

結論:集客は一日にして成らず

集客は簡単なことではありません。しかし、駆け引きだけに頼らず、コンテンツ力やカリスマ性を磨きつつ、人とのつながりを大切にしていくことで、少しずつ「集まる」流れを作っていくことが可能です。失敗を重ねながらも、新しい方法を模索し続け、共に成長していきましょう。これからも、一緒に集客の新しい道を探っていきましょう。




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コメント

  1. 息吹肇 より:

    いやー、本当にそうですね。
    常々言ってますが、小劇場も結局は知り合い同士で回しているだけで、パイ自体は広がっていません。
    この状況に危機感を抱いている演劇人は多いのですが、打開策が見当たらないのが現状です。
    小劇場から大きな劇場に出る、有名な俳優さんに客演してもらえる、主宰が商業演劇の作・演出に進出する等ができている劇団もあるので、そのノウハウを是非とも学びたいところですが、「企業秘密」でしょうね。
    そもそも演劇に関心のある人自体が少ないという中で、その小さなパイを取り合う状況が続いています。
    演劇自体に人が「集まる」状況を作らないといけないですね。
    僕も現在進行形で悩み中です。