芝居に掛かるお金の話と利益を出す方法

演劇活動

芝居を打つにはお金が掛かる

そして、9割方、利益は出ないと思った方がいい。

それでもやっぱり、どうにかならないかと計算しながら考えてみました。

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たとえば、週末3日の5公演でかかる費用は以下の通り

  • 芝居小屋 キャパシティ100席程度 搬入日とばらしの日をいれれば5日間のレンタル費用がかかります。ざっくり20万円。
  • 照明スタッフ 上記のような小屋の場合、特殊な照明をオプションでつけない限り照明機材レンタルは込み。ですが、非常に高価な機材なので、扱うのはプロというのが条件になります。
  • 打ち合わせ+本番の操作 安く見積もっても5万円。
  • 音響スタッフ こちらも照明スタッフと同様で、安く見積もって4万円。人口的に音響スタッフのほうが照明スタッフより見つかりやすいので照明さんよりやや安価で見つかるはず。
  • 舞台監督 もし、主催ができるのであれば、それに越したことはないけども、基本は雇うべき。
  • 現場責任者になるので、高くなる。搬入、搬出の事故は舞台監督の責任になるからだ。
  • 保険などにも入っているから更に高い。10万円は用意が必要。
  • フライヤー:デザインに3万円。印刷代に2万円。

絶対的に必要な経費でざっくり50万円。

ただ、これだけでは幕が上がるだけでコンテンツに関しては別途掛かります。

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更に続けてみよう

搬出搬入に軽トラなどのレンタカーを借りたり、プロモーションで郵送をつかう場合は、封筒に切手代。

小道具、大道具。

オリジナルであれば高くつくし、レトロなものや、近未来的なものなど、購入する必要性もでてくる。

衣装に関しては、ありものでいく場合とそうもいかない場合があるのは、脚本次第である。

経費理由で時代物を避ける傾向があるのが小劇場だ。

生ものの舞台、これをビデオで撮っておく場合は、知り合いの素人でも1万円は掛かるが、5万円で編集までしてくれる業者に頼むのが今後のためにもベターかもしれません。

受付スタッフに謝礼で5千円~1万円×2人

演出家を外部に発注した場合、稽古日数(20日として)×交通費+ギャランティー
交渉次第。無料という場合もけっこう多い。

役者さん。
およそすべてのしわ寄せがここに来ている今日の小劇場業界。
ギャラを払うどころか、彼らからお金をいただくことが多い。
チケットノルマという形が最も多い。それが良いのか悪いのかはまた、別の機会にて。

稽古場レンタル
公民館をつかう場合が多い。1時間300円程度。5時間×20日で3万円。

ただし、入場料をとっているので、本来は使えないか事業者価格になるケースが多い。
事業者価格で公民館を使った場合は倍額というケースが多いので、けっこう馬鹿にならない。

以上を踏まえまして、ざっくり合計で100万円は用意が必要です。

ただ、これではたいしたセットは期待できませんが・・・

この経費をトントンにするためには、いくらのチケットを何枚売れれば良いのか?

これをなんとかとんとんにするには、100席×5公演の500席の8割を埋める。

チケットの価格を2500円にするという計算になります。これでやっとトントン。

完売しても利益は25万円程度。

ただし、ここに来るまでに20日間の稽古があるので、それでも赤字と考えても良いと思います。

商品が仮に完売しても赤字が確定している事業活動。それが小劇場の芝居です。

ここからの気づきで、芝居で食っていくためには、公演日数をふやして、さらにファンを増やすこと。
自前のスタッフを育てること(仲間で持ち回りできるようにする)。自身が演出家か舞台監督のどちらかを兼務できるようにスキルを身につけること。
さらに言えば、稽古期間の収入は一切考慮に入れていないので、稽古日数や時間を減らさなければ、生きていけなくなる。

運営者は当然ですが、役者に関しても、この辺の事業感覚は持っておくべきだと思います。

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