魚の骨が教えてくれた

先週だったかな
夕飯に鱈(たら)を買ってきたんです
塩焼きにして
娘が大好きなお魚で
でも、骨がとがっているから、気をつけながら
4歳だし、よく噛ませて、
いっぱい噛むと骨があるのがわかるから、いっぱい噛むんだよ
うん
って言って、でも、その鱈、尾っぽの方で骨がほとんどないので、
大丈夫だよ
このお魚、骨、ないよー

って
そう?
でも、気をつけるんだよ
って言ってる矢先に事故が起きた
娘の顔が硬直して
痛い痛い
泣き出しそうにも、泣けないほどに目を見開いて
骨がのどに引っかかったんです
うかつだった
口を大きく開けさせて僕の太い指が小さなお口にはいるわけもなく
妻が代わった
その間も娘は声にならない悲痛な表情で涙をぽろぽろながして
妻が、「大丈夫!こんなことで死んだりしないから!」って
ちょっと大げさな励まし方をするんだけど、
夜だったし、近所の夜間病院に電話をすると、それは耳鼻課になるから、厚木だともう、全部しまっているので東海病院に連絡して下さいと言う
東海病院?ここからだと車で飛ばしても1時間弱はかかる
娘がずっと苦しんでいる
のどの奥にひっかかった骨が僕らでとれるわけもなく、病院に行くことにしたと同時に
娘の表情が落ち着いてきた
どうした?とれたの?
わかんない・・・
痛みは?
ちょっと変な感じはある
とれたんだ・・・
一応、ゼリーを食べさせてみた
どう?
大丈夫?
うん
はぁー・・・
よかった
冷静に対応してたけど、かなり焦ってた
この事故で感じたことがあります
泣いて苦しむ娘を見て感じた
守らなくちゃいけない
それはずっと感じているし思ってる
でも
魚の骨ごときで、僕や妻の手じゃ届かないんです
治すことはできない
励ますことはできても、なんの技術もない
どうすることもできない
だからこそ、世の中にはお医者さんがいて
これが魚の骨でよかった
もし、違う病気や怪我で苦しんでいて、もし、それが不治の病だったりしたら…
そんなこと、考えたくないけど
それでも、それに対処しなくちゃいけない
そんなときももちろん、僕らの手は届かなくて…
そのためにはしっかり働いて、しっかりお医者さんにお願いできる生活基盤を作らなくちゃいけない
おれ、ずっと頑固で
自分の好きなことを仕事にしてきました
多少、収入は少なくても自分の好きなことやってるからと思って苦にならなかったし
やりたい仕事以外はしてこなかった
最近のビジネス書には、好きなことを仕事にして、メンタリティーを保って精神を安定させて、効率アップ的なことばかり書いてあるけど、なんか、辛くても、苦しくても、しがみついて、歯を食いしばって耐え抜くことだって必要だろうって思った
そうでもしないと、いざというとき家族養っていけない
平穏のままだったらいいけど、いざそうなったとき、街頭で募金をあつめなくちゃならないような、不確実な選択肢しか残らないのはこどもに対して申し訳ない。
やるっきゃないね
なんでもやるよ
アップ開眼アップ

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