芝居や音楽で食うという話
正直、芸術を事業としてとらえる考え方は好きではないです。
でも、好きではないくせに、僕の会社の柱になりつつある。
好きではない理由は、芸術なのか商品なのかこんがらがるからです。
絶対に矛盾が生じて、解消するには妥協が必要になることが多い。
だから、ド貧乏やりながら好きな芸術をやっている人をリスペクトするし、その真逆で、超金持ちが芸術評価の高い絵画展を開いたりするのも納得がいく。
課題を持つべきはそのどちらでもない芸術家なんだと思う。
芸術にこだわりがある。さらに芸術で食っていきたいとか言う人。
そもそもこれって矛盾なんだと思う。
こだわりって言うのは、我を通すことだとすると、「通した我」で食っていく、つまり、それを売るというのだから、事業感覚からすればズレているとしか言いようがない。
でも、気持ちはわかる。
たとえば、芝居。
こだわればこだわるほど、一般ウケからかけ離れていき、「わかるひとがわかってくれればいい」とか言い出す。
ストイックな芝居人から見れば、リスペクトに値するけど、社会から見れば「好きなことやっていいね」という視線。親からは心配され続ける。
正直、こういう人たちを救う手立ては皆無だ。大成功か大失敗かの人生を歩む人というのはこちらからは手がつけられない。
でも、とてつもなくリスペクトはする。
僕が「救う」というよりも、ビジネスパートナーとしてともに歩みたい人は、もっと「中途半端」な人。
「わかるひとがわかってくれればいい」とか言われたらビジネス上ではサヨナラすることにしている。
客としては観に行くけど。
仕事をする上で、求めている芸術家
時に芸術を商品にも置き換えられる人。社会の動き、マーケットの動きを見ながら作品が作れる人。
【住宅情報館 CM】持田香織 / Every Little Thing 「 ライヴ篇」 2016
たしかに、ELTがライヴでファンに商品名を叫ばしている光景を見てげんなりするんですけど、もっとセンス良く、市場とマッチングしていける芸術家は、今のネット社会と相性が良いと思っている。叫んでる人ってエキストラで委託費用もらってるのかな?ライヴがその分、安くなってるのかな?それならそれで良いのかもしれないけど・・・なんかね、あんまり見ていて気持ちよいものではないな。
ましてや芝居人なんかは、企業プロモーションが動画にスイッチしていく中で需要があるに決まっている。
依然、食べていけないのは、需要を見いだせない、営業、提案、企画もできない。良くも悪くも「芝居バカ」だからだろう。
誤解しないでほしいのは僕は「芝居バカ」が大好きだ。
結婚前までは、「音楽バカ+芝居バカ」という二足のわらじだったんだから。
(ド貧乏で激やせしていた。)
そういう人たちにとっての営業、提案、企画をして、さらに一緒に企業にプロモーションを持ちかけるプロジェクトを組んでいます。
音楽に関して言えば、無料で自由にどうぞ!的なサイトが立ち上がり、CDが売れないどころか、もはや、どうにもならない、グッズ販売に行き着くという切ない状況なのだけど芝居は全く別だ。
やりようによってはそのスキルがあることで、先行き明るいのではないか?と思う。
最近、こんな記事が目に入ってきた。
こういう記事を読んで、家に帰りたくないサラリーマン向けに作品を作って、集客営業して、芝居を見てもらうっていうのはどうだろう?
そんな発想がふと浮かぶようになれれば、いつか、市場にマッチした芸術にたどり着けるのだと思う。
でも、僕だって、市場を無視して、やりたいことだけをやっていたい欲求が強いんです。でも、それじゃ会社が成り立たないし、自分の給料がでないし、子供たちを大学まで行かせてあげられないんで、その辺はシビアにやるんです。
芸術を商品と考えたくないという純粋な思いをおさえつつ、余裕ができたら、誰も知らねーよっていうオリジナル曲をライヴハウスで歌ったりしたいのだ。
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