2004年8月ラオスへ渡るため僕はノンカイへ向かった。ラオスに開かれているタイ国内の国境はいくつかあるみたいだけど唯一ノンカイだけがあらかじめビザを用意しておかなくてもラオスのイミグレーションで取れるいわばお手軽な国境だということだ。
もちろん、僕もビザを用意してなかったのがノンカイを訪れた要因だった。
昨晩、ピマイにいたせいでノンカイへはピマイから近いコラート発0時30分のバスで向かう。
もちろん、バスの中で眠りにつけば早いということを見越して乗ったバスだったが着いたのは朝の5時30分。たったの5時間しか経っていなかったことが逆に本当にここがノンカイなのかと全員の乗客が降りるのを疑いながら寝ぼけ眼でバスから降りた。
降りたと同時にトゥクトゥクのオヤジたちがどこに行くんだ?ラオスか?と客引きをしてくることに本当に国境の街ノンカイに来たんだという実感がわいた。
朝が早いせいか、ソンテウや市街へのバスが走っている雰囲気はなかったのでトゥクトゥクで市街まで連れて行ってもらうことにした。
「ラオスに行くのか?」
「明日ね」
「ビザはあるのか?」
ビザはあるかを聞いてくるがビザは国境で取れるのではないか?と少々不安に思いながらもないと答えるもとりあえず市街へ向かうようにに指示をした。
交渉は50バーツでけりがつく。少々高いと感じたがどうしてもそれより下がらなかった。朝が早いせいもあるのかもしれないし、この街の相場がまだわからないのでまずはそれに従うことにする。
あとでわかったことだがノンカイのトゥクトゥクの相場は40バーツ。
駅に行くにもバス停に行くにも40バーツ以下には下がらない。
もちろん近くならもっと安くなるのだろうけどメコン川沿いに広がるこの街はとても歩きやすい。街も小さくトゥクトゥクに乗る必要性を感じない。乗る人も少ない。そのくせ客引きもしつこくないので彼らの生活が心配になる。
とりあえず適当なゲストハウスの名前を言い向かっていたのだが地図を見るとどうも方向が違う。なにか悪い予感がしていたがついたところが予感的中の旅行会社。ビザ取得の代行をするというのだ。ビザはラオスのイミグレーションで取れるはず。もちろん、ここでとるほうが確実で安心だろうが自分で何でもやりたいたちだ。
第一、トゥクトゥクオヤジの勝手に違う場所に連れて行くやり方が気に入らない。「ラオスには行かない!ゲストハウスに行け!以上。」ぶすっとした顔で一歩たりとも席から動かなかった。仕方なしにトゥクトゥクは走り出す。街に近づくにつれ朝霧の中、大きな河が近くを流れている空気を感じる。
メコンがまだ見えないところからメコンの空気がただようノンカイの朝は格別だった。
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