厚木で起きた母親の事件について。同じ丁目に住む親として。

今日、自宅の目と鼻の先で起きた痛ましい事件のことで、学校の保護者説明会に行ってきました。

丁目も同じで、子供同士は顔見知りだった。

毎年のように育児ノイローゼに端を発した悲しい事件が起きている厚木市。

うわさや憶測で地域をかき回してはいけない。

学校でもそういう姿勢でいてほしいと説明がありましたが、地元の保護者一同、どこかに吐き出さないと、重苦しい気持ちの持っていき場所がない。

facebookでも、この衝撃を隠しきれない地元の人の言葉が並んだ。

うちも子供が三人いる。

1歳児もいるし、暴れん坊の6歳もいる。ちなみに息子は今回、悲しいことになった子と同じ幼稚園で、サッカーも一緒にしていた。

子供と一緒にいると、正直、やかましい時もあるし、こっちが眠くても疲れていても、向き合わなければならない時もある。

僕は、自営業なので、時間に融通を利かせてできる限り育児に時間を作って夫婦で助け合ってるつもりだけど、時に、自分のほうが多くやってるんじゃないか?とか思いこんで妻にイライラをぶつけてしまったこともある。

そんなことはお互いさまなのはわかっているけど、自分の時間が自由にならないことに大きなストレスを感じることもある。

というか、それが日常です。自分の時間が作りにくいのはどこの家庭でも同じだと思う。

それでも、卒園式には、涙を流すし、運動会では全力で応援するし、病気の時は代わってあげたいと本気で思う。

子育てがどんなに大変で苦しくても、自分の命に代えても守りたい存在なのは、どこの親でも同じだと思う。それは、今回の事件があったお宅でも同じだったはずだ。

それでも、一線を越えてしまうのだから、そこには必ず理由がある。

理由は「壊れてしまった」それ以上でも以下でもないはずで。

でも、「このままいったら壊れてしまうかもしれない…」って思うことが親だったら誰にでもあると思う。

それくらい大変な時間を過ごしている親はたくさんいる。

僕にもあった。

長女が生まれて、毎晩、夜泣きがひどく、抱っこしないと眠ってくれない。

毎晩、妻と僕が交代で抱っこし続けて朝を迎えていた。

2時間ごとに空腹になって赤ちゃんが泣くということは、この先、6時間とか8時間とか連続で眠ることができない時間が1年か2年は続くということだ。

初めて親になって思ったことは、「こんなこと、人類、全員が全員やってきたのか!?」と疑いたくもなった。

いろいろな初めての難関に遭遇すると、「これが何年続くんだろう?1年?2年?」とぞっとした。

長女の時は二人そろってげっそりしてた。

完璧を目指したら、壊れると思った

時には赤ちゃんが泣き続けていても、今は、自分たちのことを優先しようと、そっと戸を閉めて食事を続けていたこともある。

洗い物がたまってもいいと思う。

部屋が汚れてしまっても仕方ないと思う。

洗濯物がたまっても仕方ない時もあると思う。

すべてを完ぺきにしなくてもいいと思う。

昔のように地域で子供を育てる文化ではなくなっている。

昔はよかったとか、NHKの「72時間」の駄菓子屋さんを見て、こういうものがなくなってしまったとか過去を振り返ることも大いに結構。
だけど、今の社会環境と照らし合わせてリアルな未来を具体的に考えるシーンがもっとあっても良いのではないか?

時には手を抜いて、周りはそれを責めないことも大切なんじゃないか。

時に朝ご飯が菓子パンの日があってもいいんじゃないか?

どうしても疲れた時は、子どもの好きなテレビ番組を見せて自分は横になったっていいじゃないか?

栄養のことを考えて完璧を目指すお母さんもいると思うけど、疲れた日くらいはレトルトでもいいんじゃないか?

その分、お母さんの笑顔の数が一つでも増えるなら、一つ手を抜いたっていいんじゃないか?

たしかに、毎日毎日手抜きでは良くないとは思うけど、程よく手を抜いて、自分の人生を生きる時間も考えたっていいんじゃないか?

お父さんも育児。

そして、お父さんは、何のために、誰のために仕事をしているか?をもう一度、考えてほしい。

ビジネス書を読めば、顧客のため。勤務先の経営理念が社会のため。そういう情報で思考が仕事の枠に閉じ込められてしまっているお父さんが多いと思う。

お客さんのため、社会のために働くのは正しい。

でも、それ以前に、誰のために働いているんだろうか?

たしかに飲み会を全部断って毎週末、早く帰っていたら、仕事上のコミュニケーションがとりづらくなるのもわかる。

そのうち、誰も誘ってくれなくなる。

趣味の付き合いもあると思う。ある程度は行った方が良いとは思う。

ただ、全部が全部、行く必要あるのかな?

事情も話して、それでも、行かないことに不満を持つような人であればその程度なんだと思う。

1週間は7日あるんだから、週に2日くらい、家族と一日中いてあげてもいいんじゃないか?

そんな時、お父さんは5日間遊んでいたわけではないから、お母さんは土日の家事をまるまる任せないでほしい。休みは夫婦一日ずつ、ちゃんと分け合ってはどうだろう?

お父さんだって壊れるリスクはあるんだから。

お父さんはごはんくらい作ってみてはどうだろう?

おむつ交換なんか、仕事に比べたら何も難しくない。

僕のことを「素敵」だとか「えらい」とか言ってくれるお母さん友達がいるけど、当たり前であってほしいと思う。

近所と助け合える昔とは違うんだ。悪いことをしたら叱ってくれるおばちゃんはいない。お父さんが参加しなければ、100%お母さんになるんだ。

お父さんは「社会」のために働く前に、「自宅の周りの社会」を確認してほしいと思う。

どうしても、一線を超えそうなとき、違う方法で一線を越えてください。

命を奪うほどの一線よりも、

  • 家を出ること、逃げ出すこと
  • どこかに駆け込むこと
  • 何かを放棄すること

逃げ出せるところは全国にある。実際にお寺でもよいと思うけど、駆け込み施設といえば、夫からのDVから逃げるための駆け込み施設が多いけど、そこでも良いと思う。
子供にDVをしてしまいそうだという意味で、大いに専門家が話を聞いてくれると思う。探し方は「DV 駆け込み施設」で検索すればすぐに見つかる。

逃げ出したことで誹謗中傷の嵐が一部から起きたとしても、命を奪うほどの「一線」を越えた時のそれに比べたら小さなざわめきだと思う。そして、そのくらいの「一線」であれば、いつか必ずやり直しだって利く。時間だって協力してくれる。

命は時間がたっても戻ってこない。解決しない。

その一線は絶対に越えてはいけない。

 

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