ストーンペーパーという石が原料の「紙」がある。
古紙問屋はストーンペーパー?笑止千万!と怒っていた。
なぜ、怒っているのでしょうか?
ストーンペーパーの用途は名刺などのカード類が多い。時々メモ帳なんかもあるらしい。
石からできているので、木材を使わない分、環境に良いのだと言う。
木材やパルプから古紙を生産するときに出る排水もほとんどないようです。
ちなみに僕は古紙問屋の経営者の息子なので、古紙業界がこのストーンペーパーに頭を抱えている事実を知っています。
環境に良いかどうかはどこで決まるのか?
生産段階だけをみれば、そこら中にある石から紙を作るというのはどう見ても環境に負荷があるようには思えない。
生産段階で環境に悪影響なものが排出されないならなおさら。
ただ、その一段階だけ見ていては本質を見失います。環境に良いのか悪いのかは全体を見て判断する。
エコかどうかはそのもの自体が社会で循環する仕組みがあるのかどうか?
これを使った人が、それがストーンペーパーであることを認識し続けて、捨てるとき誤って古紙に混入させるリスクが全く無いといえるかどうか?
仮に名刺でもらった時、ストーンペーパーであるかどうかを確認するかどうか?
以前は、もらった名刺に「この名刺はペットボトルから出来ています。」とあたかもエコに関心がありますというアピールをしている名刺を見ては、この会社はわかってないなー…と思っていましたが、ストーンペーパーもまったく同じ間違い。
ストーンペーパーはリサイクルもできるようだけど、不要になったストーンペーパーだけをためておき、たまった段階でストーンペーパーをリサイクルできる処理業者に連絡するところまでできるのかどうか?
分別品目にストーンペーパーを追加して管理できますか?
結局「まぁ、いっか」で古紙の収集日に出されるのがオチですよね。
とにもかくにもニセ紙は作ってはいけない!
そんな軽い気持ちで排出されたストーンペーパーが古紙に混入していると、古紙を溶解してリサイクル処理された時にパルプ原料として炉の中の原料まるごと使えなくなることもあるそうです。
たしかに、ホッチキスやファイル金具も以前は問題視されていました。
技術の進歩でそれらはリサイクル過程で取り除くことができるようになっています。
ストーンペーパーもそうなれば良いという意見があるかもしれません。
ただ、そのためにたくさんの原料がごみになってしまうようです。
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