音楽活動

音楽活動の履歴と作品の紹介

小4で追い出されたピアノ教室

とにかく練習をしなかった。そもそも家にピアノがなかったのだ。あったのはオルガン。

なんだって家にオルガンがあったんだろう?と今になると不思議に思う。ちなみに当時の家はプレハブ小屋だったのだから家に似合わないオルガンがあったことはなおさら不思議に思う。

そのオルガンも兄とケンカして当然のように泣かされ、八つ当たりして壊れた。

電源を入れると、常にファの音が鳴り続けるのだから練習のしようがなかった。

これが僕の音楽人生の始まりだ。

ピアノを始めて2年ほどした小学校4年生のとき、先生があまりに練習してこないのでさじを投げた。子育て中の先生は、教室に赤ちゃんを連れてきていた。

レッスン中に泣き出すのは僕のせいではないにしても、まるで練習してこないガキんちょと、泣くのが仕事の赤ん坊の相乗効果で突然キレだしたのを今でも覚えている。

「まったくなんなのよー!!!」と叫んだ。

それからしばらく、デキの悪い生徒は先生の教え子に引き継ぎされた。

今思えば、先生はまるで練習してこないガキんちょを自分の教え子に押しつけたのだ。

次は20代前半のかわいらしい先生になった。それは僕にとっては嬉しい環境変化だった。
レッスンの後に紅茶を入れてくれて、居間でゆっくりお話をしてくれた。
プレハブ小屋に住む僕にとって、スリッパのある家も、畳で敷き詰められた居間という空間も初めてで、スリッパのまま居間に入ってしまったとき先生がやさしく「こぉらぁ~」と叱ってくれたのがなんとも心地よかったのを今でも覚えている。(エコー付きで覚えている。)
ひょっとしたらあれが初恋だったのかもしれない。
ただ、かわいらしい先生になったからと言って、オルガンの「ファ~」も治るわけもなく、全く練習しない日々は続いた。

とにかく鍵盤に触れている時間というのは週1回のレッスンの30分だけなのだから上達するわけもない。

そんな僕が、将来、プロとは言わないまでも、ボイストレーナーとして音大受験の子をトレーニングしたり、ミュージカルで作曲や歌唱指導をしたりようになるのだから不思議だ。

人生、突然変異せざるを得ない瞬間というのが必ず訪れる。僕が音楽家になっていくきっかけになったのは、この次にピアノの先生になるおばちゃん先生・・・ではなくその娘さんの影響が大きかった。

3人目のピアノの先生は僕のひどいピアノに対抗してレッスン中に居眠りを始めた

to be continued…